こんばんは。
かとうまさや(ましゃ)です!
今日もギリギリの更新です。
さて今日はやまけん事山本謙治さんの書かれた『日本の「食」は安すぎる 「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない 』を読んだのでその感想をまとめます。
日本の「食」は安すぎる 「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない (講談社+α新書)
山本 謙治 講談社 2008-03-20
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歯切れが悪い!?
まずこの本を読んで感じたのは、歯切れが悪いなーでした。
どういうことかというと、この本の中で食品業界のよくない点を挙げているのですが、やまけんさんは配慮してなのか、擁護するような言い分になっているからです。
誤解を恐れずに言うと、弱ごしな感じ。
ぼくからすればはっきりとしたほうがいいのにと思う箇所がたくさんありました。
しかし、この本に書いてあることは納得することが多く、うんうんとうなずきながら読むことができました。
ぼくがとくによかったと思う箇所をまとめます。
よかった箇所まとめ
「いいもの作れば売れるはずだ」は通用しない
p5そこで感じたのが「流通させる側の理論」だ。通常、ビジネスマンであれば「いいものを作れば、適正な価格で売れるはずだ」と思うだろう。しかし、農産物の世界はそんなに単純なものではなかった。流通の都合に合うモノでなければ、どんなによいものでも売れないのである。
そうなんです!流通の都合に合わなければ売れないのです。
野菜に限って言えば、こんにち流通されている野菜はF1種という種苗会社によって交配され作られた品種で、同じ時期に同じような大きさでできるように作られています。
そうすると一気に出荷でき、さらに決まった規格の箱に入れて出荷できるので、流通させやすいのです。
例えば、大根。
今一般的に出回っているのは「青首大根」という品種改良された大根です。
スーパーに行けば見かけるやつです。個性のない普通の大根です。
でも日本には様々な品種の大根が各地にあります。
神奈川の三浦大根とか、賀茂野菜の源助大根、東京の亀戸大根・練馬大根、京野菜の聖護院大根などなど多数あります。
それぞれ個性があって味がよく料理の仕方も様々で良さがあるいいものなんだけど、売れないから農家が作らない。
流通の都合に合わないんですよね。
三浦大根なんてでかいし、源助大根は太い、亀戸大根は逆に細いし、練馬大根は長い、聖護院大根なんて丸いですから、箱詰めするのも一苦労です!笑
だからいいものを売るには工夫が必要なんですが、「いいものを作れば売れるはずだ」と思って何もしない農家が多いように思います。
人は誰でも消費者であり、生産者だ
P25モノの値段は安ければ安いほどいい。そう考えている人は多いだろう。少なくとも消費者という立場でいえば、商品が安く買えることはいいことだ。しかし先にも書いたが、人は誰でも消費者であるが、「消費者でしかない」という人は少ないはずだ。多くの消費者は、なんらかの職業に就いており、その一面では「生産者」であるばずだ。このように消費者と生産者という二つの顔を持つ人にとって、モノの価格が安くなることは、消費者としては好ましいけど、生産者である身からすれば、自分の商品も安く売られるわけであるから、一方的に喜んでもいられないということに気づくはずだ。いや。想像力を働かせて気づくべきではないだろうか。
全くもって同意できる内容です。
本当にみんな想像力を働かせて気づくべきことだと思います。
あなたはなんでも安けりゃいいと思っていませんか?
ここだけの話し、ぼくの父親はそういった考えを持っていて、だから給料が上がらないんだよって突
っ込みたくなりますが、それは置いといて、この問題なんとかならないかなと思います。
っ込みたくなりますが、それは置いといて、この問題なんとかならないかなと思います。
新鮮、安全、美味しい=高い
p41新鮮で、安全で、美味しい食品は、高くて当たり前のものなのだ。
当たり前のものなのだ。当たり前のものなのだ。当たり前のものなのだ。
重要なので繰り返しました。
消費者には理解していただきたい重要なことです。
本漬けが売れないのは味覚が退行しているから
P50現在、スーパーで販売されている漬物の大半が浅漬けだ。本漬けとはほど遠い、白菜やキュウリなどを調味液につけたものをパッケージして店頭に並べるものだ。なぜ、浅漬けがほとんどかというと、本漬けが売れないからである。私は、この本漬けが売れないという状況は、ある種、味覚が退行しているためではないかと思っている。本漬けは発酵食品だから、複雑なアミノ酸が味を形成している。冷蔵庫で置いていても発酵は進み、酸味が出てくる。しかし現代では、漬物を買った人が「この漬物、酸っぱいよ!」とクレームをつけてくるような世の中なのだ。今や、浅漬けも本漬けも、味の大部分はグルソーに頼っている。グルソーとはいうまでもなく「グルタミン酸ソーダ」。つまり化学調味料だ。あるメーカーの製造現場を見させていただいた時、野菜にヌカを振りかけ、塩水をかける工程を手伝わせていただいた。塩水をちょっと舐めてみると、しょっぱいものかと思ったら、実にコクのある、旨みの強いものだった。「ん?」という私の顔を見たメーカーの人が、「この塩水にはグルソーを溶かしてあります。我々も使わないで作りたいんですけど、グルソーいるの方が売れるんですよ。グルソーを使わない方が自然な味なんですけど、並べておくと売れるのはグルソー入りなんです。僕らも悔しいんですが・・・・・・」というのだ。
なんということでしょう。
消費者はちゃんと勉強した方がいいですね。
この後の文章でやまけんさんは漬物文化を考え直す方法として、自分の家で漬物を作ってみることをオススメしている。
こうして自分で漬物を漬けることによって世の中に出回っているおかしい漬物の味がわかるそう。
確かに現代では食の生産現場と消費現場が離れすぎていると思うので、なんでも自分で作ってみるということは大事なことになってくると思います。
安さのヤバイ線
P138食品加工業界にいる友人は、コンビニやファストフードなどで食品を見るときには、必ず頭の中で原価計算をするという。そして、自分が基準として持っている「ヤバイ線」を超えて安すぎるものは、絶対に買わないそうだ。「安いってことは、どこかにしわ寄せが行っているってことだよ。で、どこにそのしわ寄せがいくかといえば、食品の場合は、だいたい人の身体さ」こんな言葉を聞いてから、私も、安すぎる食品には注意するようになったのだ。
怖いですよね。
安さのしわ寄せはぼくたちの身体にきてますよー。
あなたはそれでも安い食材を選びますか?
よい食を守ること=環境を守ること
P198自分が住む町の水道水が美味しくないため、水を買ってくる人は多いことだろう。私の友人も、ミネラルウォーターを定期的に買ってきては、家に据えつけた巨大なウォーターサーバーに移して飲んでいる。しかし、それは間違いなんじゃないか–−−と思うようになった。ここの水がまずいから、外から水を買いましたという行為は、水を運ぶときに排出される多大なCO2を増やすことにつながってしまう。それにも増して、その行為は「ここの水」をよくするためにも何も寄与しないではないか。ここの水がまずいのであれば、美味しくするために必要な努力をするというのが筋なんじゃないだろうか。まず、自分が飲んでいる水の水源と取水場、浄水場を知っているのか。まずい理由は、自分たちが汚した環境が原因ではないだろうか。一般の消費者が何か改善に寄与できることはないのか・・・・・・。私は、こうしたことを考えるべきだと思い、我が家の飲料水は、浄水器をとしたものを飲むようにしている。それが正しいことなのかどうかはわからないのだけど、私はそう考えたのだ。環境のため自分ができることは何なのかを考える。とにかく、まずは考えるところから始めることが大切だと思うのだ。
激しく同意する内容です。
あなたが汚した環境の結果が水だったり空気だったりするわけで、それが回り回って自分に返ってくるんです。
あなたが今使っている石鹸や洗剤は環境に優しいものですか?
そのシャンプーは大丈夫ですか?
油をそのまま水道に流していませんか?
ぼく自身ももっと気をつけなきゃと思いました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
やまけんさんの言われていることが少しでも伝われば嬉しいです。
あなたも消費者でありますが、生産者でもあるので安けりゃいいというのを考え直し、新鮮で、安全で、美味しい食品は、高くて当たり前のものだということを少しでも理解してもらえればと思います。