自然栽培で家庭菜園をしている、ののの農園のかとうまさやです。
家庭菜園初心者でも簡単に栽培でき人気の野菜といえばじゃがいも。
のの子さん
そんな気持ちでじゃがいも栽培に取り組む人も多いでしょう。
自然栽培なら安心安全でかつ、おいしいじゃがいもを育てることが可能です!
そう。自然栽培なら、
- 安心安全
- おいしい
を両立できます。
これはぼくが5年以上自然栽培でじゃがいもを育ててきた経験から強く感じていることです。
この経験をもとに本記事では、自然栽培でのじゃがいもを育て方を初心者にもわかりやすく解説しています。
ぜひぜひ読み進めてみてください。
【自然栽培】で安心安全とおいしいの両立
自然栽培でじゃがいもを育てることにより、安心安全とおいしいを両立することができます。
その理由を解説しますねー
自然栽培じゃがいもが安心安全な理由
自然栽培とは、農薬と肥料を使わずに野菜を育てる農法です。
安全性に賛否両論ある農薬を使っていないので、安心して野菜を食べることができます。
人によっては、敏感に感じて影響を受ける人もいるだろうし、子どもやお年寄りは特に気をつけたほうがいいのではないかと考えています。
ご家族が農薬の影響を受けてしまうので、無農薬に切り替えたという話は聞きますねー
また、自然栽培は化学肥料や有機肥料などの肥料を使わないので、作物が栄養を探すために根を深く伸ばします。
これは、山の木のように自ら栄養を探して育つ植物と同じため、より自然に近い環境で野菜を育てることになります。
これらの観点から、自然栽培のじゃがいもは安心と安全を兼ねそろえていると考えています。
自然栽培じゃがいもがおいしい理由
自然栽培のじゃがいもは、マジでおいしくてやめられません…
変なえぐみがなく、スッキリしていて口触りが気持ちよい!
おいしさの理由は肥料を入れていないこと!
先ほども言いましたが、肥料を入れないと作物が自分で栄養を探しに根を伸ばす。
その結果、成長ペースはゆっくりですが、細胞のつまった味わいのある野菜ができます。
これがおいしさの秘訣だと感じています。
一度食べたらこのおいしさを知ってもらえると思います!
じゃがいもの原産地と特徴
種類 | 科目 | 原産地 |
じゃがいも | ナス科 | アンデス山脈 |
じゃがいもはナス科の一種です。
トマトやナス、ピーマンも同じナス科。
ナス科の野菜を連作させるとよくないと言われていますが、自然栽培ではそこまで気にしなくてもいいと思います。
原産地のアンデス山脈の気候と北海道の気候がにていることから、北海道で広く栽培されている野菜の一つです。
じゃがいも栽培で迷うことがあったら、原産地の気候風土を参考にするといいと思います!
じゃがいもの品種の選び方
つづいては、種芋の品種の選び方をお伝えします。
じゃがいもってたくさんの品種があるので、どれにすればいいのか迷いますよね。
安心してください。ぼくがわかりやすく解説しますー
種芋の選び方
2月ごろになるとホームセンターや種苗店で種芋の販売が始まります。
種芋選びの基準としては、3つあります。
- 味と料理方法
- 収穫の速さ
- 貯蔵性
それぞれ詳しくみていきましょう。
①味と料理方法
味は、人それぞれ好みがあるので自分の好きな品種を選んでください。
ぼくは、キタアカリ、トヨシロの味が好きです!
あと、どのような料理に使うかでも品種の選び方が変わります。
具体的にはこちらの2種類で考えられます。
- 煮崩れしやすい
- 煮崩れしにくい
煮崩れしやすい品種としてはこちら。
- 男爵
- キタアカリ
- とうや
- アンデスレッド
煮崩れしやすい品種は、マッシュポテトやオーブン焼き、ポタージュ、炒めものなどの料理に向いています。
煮崩れがしにくい品種がこちら。
- メークイン
- とうや
- 十勝こがね
- シンシア
- ニシユタカ
煮崩れしにくいので、煮物、カレー、シチューなどの料理にむいています。
このように料理方法によって品種を選ぶ方法もありますので、参考にしてください。
ちなみに個人的は煮崩れしようが構わないので、味で選んでますーw
②収穫の速さ
収穫の速さで選ぶ方法もあります。
収穫の速い作物のことを「早生(わせ)」といいますので覚えておいてください。
じゃがいもだとこれらが早く収穫できる品種(早生)です。
- 男爵
- キタアカリ
- さやあかね
- インカのめざめ
- ワセシロ
収穫時期が早めなので、早く食べることができます。
「できるだけ早く食べたいー」っという人はこれらの品種を選んでください。
③貯蔵性
最後に貯蔵性で選ぶの方法もあります。
じゃがいもにおいて貯蔵性というのは、「芽が出る速さ」のことをいいます。
芽が早く出るものは貯蔵期間が短く、芽が出にくいものは貯蔵期間が長くなります。
貯蔵期間が長いじゃがいもとしては、こちらがあります。
- 男爵
- トヨシロ
- ホッカイコガネ
- とうや
- ノーザンルビー
- 十勝こがね
これらの品種を選べば長く貯蔵でき、長期間食べることができます。
少しシワシワになり見た目は悪くなりますが、年を超えて貯蔵することも可能です!
でもこのシワシワになっているのが、甘くておいしいんですよ〜
2期作ができる品種も(関東基準)
また、貯蔵期間が短い品種の中でも年に2回栽培できる品種もあります。
春と秋の2回栽培することにより貯蔵期間の短かさをカバーすることができるんですね。
年に2回栽培できる品種はこちら。
- デジマ
- アンデスレッド
- ニシユタカ
・2回目→8月頃植え付け11月頃収穫
このように、「味」、「収穫の速さ」、「貯蔵性」の3つの観点でじゃがいもの品種を選ぶと選びやすいと思います。
ちなみにののの農園で育てている品種とその理由は、こちら。
- トヨシロ(味と貯蔵性、油との相性がいい品種)
- キタアカリ(味、マッシュポテトが好き)
- 男爵(貯蔵性、なんでも合う)
- デジマ(2期作、収穫量は少なめ)
品種が多すぎると管理が難しくなるので、5つ以内にするのがおすすめです!
【自然栽培】じゃがいもの栽培方法
それではじゃがいもの育て方を解説していきます。
栽培スケジュールはこちらになりますので、参考にしてみてください。
じゃがいも栽培の土づくり【自然栽培】
まずは、土づくりです。
自然栽培は、肥料を入れないで作物を育てますので、なにかを入れることはありません。
しかし注意してほしいポイントはいくつかあります。
土づくりとしては、ぼくは以下の3つに気をつけています。
- 未分解の草がある場所では栽培しない
- 土は耕す
- イネ科とマメ科の作物を取り入れる
未分解の草がある場所では栽培しない
未分解の草があると、それらを分解するために虫が来ますので、やめましょう。
草を畑にすき込む場合は、枯れてから入れる。
草をすき込んでから作物を育てる場合は、しっかりと分解してから作物を育てる。
この2点は頭に入れといてください。
過去に昔未分解の藁があるまま里芋を栽培したら、虫の被害がすごかったです!
土は耕す
土は耕します。
耕すことにより、空気が入り微生物が活性化します。
また、植え付けの1週間前に1度耕して土を柔らかくしておくと、植え付けしやすくなります。
ある程度の広さがある場合は、耕運機があると便利です。
もちろん鍬で耕してもいいです。
イネ科とマメ科の作物を取り入れる
自然栽培の土づくりには、イネ科とマメ科の作物を育てる方法があります。
この二つの作物は昔から土づくりによいとされてきました。
緑肥とも呼ばれています。
イネ科だとこちら。
- 小麦
- ライ麦
- エンバク
- ソルゴーなど
マメ科だとこちら。
- 大豆
- クローバーなど
作物の生育が悪いな、土が痩せているのかなと思ったら緑肥を育てて土づくりをしてあげるとよいでしょう。
土づくりは時間がかかりますが、長い目で見て取り組みましょう!
種芋を切って灰をつける
畑の準備ができたら、種芋をカットして、灰をつけます。
種芋を切るときには、1片が約40gになるように切ります。
やり方は、種芋全体の重さを計り、100gだったら2等分。
150gだったら3等分という感じです。
コツとしては、芋の頭のあたりに芽が集まっているので、そこから縦に切ることです。
また、切り分けた種芋に芽がちゃんと残るように切り分けます。
切り終わったら、断面に灰をつけます。
灰の付け方は、芋を持って断面を灰にちょんちょんとつけて、余分な灰は落としちゃって大丈夫です。
灰をつけると腐りにくくなるのでつけています。
じゃがいもの植え方
種芋の準備ができたら、じゃがいもを植え付けします。
そのために、まずは溝を掘ります。
深さ20cmほどで、道具は耕耘機や鍬を使います。
うちは、耕運機に培土機というのをつけて、溝を掘っています。
耕運機があるなら、培土機を購入するのがおすすめ。
培土機使うと、溝掘り、畝作り、土寄せがめっちゃ楽になります。
もちろん鍬でも溝は作れます。
おすすめの鍬はこちらのブログを参考にしてみてください。
溝を掘ったら、じゃがいもを植えていきますが、種芋と種芋との間隔(株間)は、30cm離しましょう。
ぼくはいちいち測るのも面倒なので、1足ぶん開けて植えつけています。
畝が2つ以上になる場合は、畝と畝との長さは70cmほど開けるといいでしょう。
- 株間30cm
- 畝間70cm
種芋は芽を下にして植えます。
芽を下にして植える効果としては、2つ。
- 芽が遠回りすることにより芋がたくさんつきやすい
- 芽が出るのが遅くなるため遅霜に会う危険性を回避できる
です。
じゃがいもの芽かき
種芋を植えてから1ヶ月ほどすぎたら、芽が10cm以上になりますので、芽かきをします。
芽かきをする理由は、芋を大きくするためです。
芽がたくさん出ていると芋がたくさん収穫できますが、小粒になります。
小粒だとどうしても料理しにくいので、できるだけ大きくして収穫したほうがいいですよね。
人参や大根を間引きするような感じです。
芽かきのやり方は、5〜7本くらい芽が出ているなかから元気そうなのを3本残して、残りは抜き取ります。
例えば、このように一つの種芋から芽が5つ出ています。
元気のいい芽を3つ選び、残りは引き抜きます。
土を少し掘って根本からゆっきりと引き抜くと上手に抜くことができます。
芽かきができたものがこちら。
すっきりしましたね。
BeforeAfterでみるとわかりやすいと思います。
抜いた芽は畑に捨てちゃって大丈夫です。
参考:【自然栽培】知らないと損する!?じゃがいもの芽かきのやり方を解説
インスタではリールで解説していますので、動画で見たい場合はどうぞ。
じゃがいもの土寄せ
土寄せする理由は、芋が外に出ないようにするためです。
じゃがいもは種芋よりも上に実をつけるので、土寄せを何回かしてあげる必要があります。
芋が外に出てしまうと、緑化の原因にもなりますので、土寄せは必須です。
土寄せは2〜3回やるのがおすすめ。
土寄せをする時期の目安はこちらを参考にしてください。
- 1回目→植え付けてから約1ヶ月後(芽かきの後)
- 2回目→植え付けてから約2ヶ月後(梅雨に入るまでに)
- 3回目→2回目の土寄せ後収穫する時間がなく、かつ草が目立つようなら
土寄せのやり方は、鍬を使うか耕運機や三角ホーでも可能です。
鍬や三角ホーを使う場合は、片面づつ土寄せします。
土はじゃがいもの株元にかけるように土を運んでください。
このとき、ジャガイモの葉っぱが土で隠れちゃっても大丈夫!
自分で土の上に出てきます。
耕運機の場合は、先ほど紹介し培土機というのを取り付けて行います。
通路が狭いので車輪も合わせて交換することが多いですね。
こういうの。
家庭菜園レベルだと鍬などでやったほうが早いですが、鍬を使えないとか面積が広い場合は耕運機で土寄せする方がおすすめ。
じゃがいもの収穫時期と収穫方法
じゃがいもの収穫時期は、6月中旬〜7月ごろになります。
目安としては、茎が枯れてきたら収穫しても大丈夫というサインです。
収穫は晴れの日を選んでやりましょう
スコップがあるととてもやりやすいので、なかったら買っておくことをおすすめします。
収穫方法は、通路側からスコップを入れて、芋を下から持ち上げるようにテコの原理でスコップを下ろします。
その後、手で掘ると簡単に掘り出せます。
掘ったあとは、半日ほどそのままにして乾かしてあげてからしまうと、痛みにくくなります。
じゃがいもの保存方法
じゃがいもの保存方法は、冷暗所がおすすめ。
- 涼しい所
- 暗い場所
出来る限り家の中で涼しい場所に保管してください。
わが家では段ボールに入れて玄関に置いて保管しています。
ダンボールの蓋は必ず閉じて光が当たらないようにしましょう。
光が当たると緑色になり、食べる部分が少なくなってしまいます。
じゃがいもの食べ方
堀たての新じゃがは、皮が薄いので皮ごと料理するのがおすすめ。
シンプルに蒸かし芋にすると味がストレートに感じられますので、ぜひ作って存分に味わってみてください。
他の料理としておすすめなのは、こちら。
- じゃがバター
- じゃがいものオーブン焼き
- ポテトサラダ
- ポテトフライ
- 肉じゃが
- カレー
- シチュー
- グラタン
- 炒め物
じゃがいもの病害虫対策
じゃがいもを無農薬・無肥料の自然栽培で育てていると病害虫の被害にあうこともあります。
そういったときの対処法をお伝えしますね。
まず、自然栽培の考えとしては、
です。
それはずばり、
をすることです。
土作りに関しては、最初の方でも書いた「じゃがいも栽培の土づくり【自然栽培】」を参考にしてください。
【自然栽培】じゃがいもの栽培方法┃まとめ
自然栽培でのじゃがいもの育て方を解説しました。
今まで慣行栽培、減農薬栽培、有機栽培など色々な栽培方法のじゃがいもを食べてきました。
その中でもやはり、自然栽培のじゃがいもはおいしいなーって感じます。
家庭菜園をやってじゃがいもを育てるならぜひ自然栽培にチャレンジしてみてください。
肥料と農薬なしで初心者でも簡単に栽培できますので、おすすめですー